- 2021年4月18日
ユニフェイスの営業、上村です。
突然ですが、お客様へご提案をさせて頂くとき「提案書」という資料を作成します。
お客様にとってどのようなベネフィットをもたらすか、それをどのような形でご提案をするかは非常に重要なことですが、当然その内容を正しく伝えることができなければ意味がありません。
仮に100点の提案内容だったとしても、その内20点分しか相手に伝えることができなければ、それは20点の提案となってしまいます。
これは非常に勿体ないことですね。そこで今回、新たに実践してみた手法が色々と効果的だったので、その内容についてお話させていただきます!
プレゼンのストーリーを考える
これまでの経験上、提案する内容がざっくりイメージできているなーぐらいでいきなり資料を作り始めると、ほとんどの場合失敗します。
当初思っていた内容とは違ってきてよく分からなくなったり、自分では出来たと思ってもいざレビューしてもらったら何が伝えたいか分からないと言われたりして、手直しが発生してしまいます。
資料作成において、この「手直し」に一番手間と時間がかかっていると考えます。一度は心当たりがありませんか?
ではどうするか。よく聞くのが先に「目次」を作って、問題ないようなら資料を作成し始めるというものです。
これでもいきなり資料を作り始めるよりは良いですが、それでも同様の問題が発生することがあります。
そこで今回、新たに活用してみたものが「メッセージテンプレート」と呼ばれるものです。
出典:世界最高のリーダー育成機関で幹部候補だけに教えられているプレゼンの基本
(アフィリエイトつけてる訳ではないのでご安心を・・)
メッセージをマップ化する
「メッセージテンプレート」とは、”メッセージをマップ化する”テンプレートとしてアメリカ合衆国元大統領ビル・クリントンのスピーチ・ライターが使用されていたものです。
これは、次の図で構成されています。
「コア・メッセージ」を中心として「問題」「今後の課題」「インパクト」「解決策」のタイトルに分かれています。
先ず最初に仮でもいいので「コア・メッセージ」を考えます。
コア・メッセージ
受け手に対して、核となるテーマを置きます。提案書ではそのままタイトルとして記載することができます。
ここで一番重要となるのが「受け手」に対してという部分です。
慣れていないうちは往々にして、自分が伝えやすいことを書きがちです。かく言う私もその一人です。
受け手の立場や都合など、受け手をしっかりとイメージして考えることが重要です。
当たり前のことと思うかもしれませんが、受け手のことを十分に理解できていなかったり、イメージがずれていることが多々あります。
正しく受け手のことをイメージすることは、非常に重要であり、非常に難しいことです。
そのため、色々と考え始める前に、先ずはこの部分を考えることに一番重きを置きます。
上記を踏まえて、自分が本当に伝えたいことの中で、どこに焦点をおいて論点とするかを考えます。
問題と課題
コア・メッセージを仮置きしたら、そのメッセージから離れないことを意識しながら、次は問題 ⇒ 課題 と記載していきます。
さて、ここで「問題」と「課題」の違いについて説明できますか?
ちなみに私は、恥ずかしながらどちらも同じような意味合いだと思っていました。
そこで調べてみたところ、基本的には以下のような解釈でした。
問題:現在起きているネガティブな事象。
課題:問題に対して「目標(あるべき姿)」とのギャップに対してやるべきこと
定義だけ聞かされてもイメージが湧きづらいかと思うので、製造業を例に簡単に書いてみます。
問題:出荷製品のクレームに対して、すぐに影響範囲を割り出せない。
なぜ?:情報が紙媒体で20年分保管されていて、探し出すのが大変。
目標:クレームから10分以内に影響範囲を割り出す
課題:実績情報の電子化によるトレーサビリティの確立
解決策
上記の例でいくと以下のような方法が考えられます。
■ 製造実行システム(MES)の導入
・BOMを定義
・使用材料(仕掛品)ロットのQRコード読み取り
・出来高計上時に、生産ロットに対して使用材料ロットを紐づけ などなど
弊社の場合でいくと、解決策はシステムやハードウェアに関する内容が主ですね。
インパクト
今回、今まで意識出来ていなかったことで一番重要だと感じたのはこのタイトルでした。
単にメリットを訴求するだけでなく、そこから具体的に「自分たちがどう変われるか」をイメージできる内容を記載します。
現状把握しているものから試算したものや、他社での事例など、定量的なものが最もインパクトがあると思います。
それ以外にも、その提案内容からさらにその先の将来像などですね。
こちらもコア・メッセージに次いで非常に重要、かつ難しい内容だと思います。
最後に
ここまでを踏まえて先に検討をしておくことで「本当に自分が伝えたいこと」が見えてくると思います。
逆に、見返したときに何か違うなと感じたら、コア・メッセージから再度検討し直してみてもいいです。
先にこうしたものを作成しておけば、手直しする際も時間をかけずに済み、効率的に考えを纏めることができると思います。
最小限に組み立ててあることで、資料作成時に余計な内容を記載せずに、簡潔に伝えたいメッセージを伝えられます。
またこういった思考は、プレゼン資料を作るとき以外にも活用できると思います。
ちなみに似たようなもので、「As-is / To be フレームワーク」というものもあります。
状況に応じて、自分に合っている方を使ってみてください。
その後の資料の書き方に関しては別途、下記のブログなどが参考になりました。
(参考リンク)もう、「パワーポイント」で消耗しない!
孫正義氏が認めた「プレゼンのプロ」が、最速で「一発OK」のプレゼン資料をつくるパワーポイントの操作手順を全公開!